最近、不朽の名作・王家の紋章を読んでいます
遠い昔、ほんのさわりを読んだ記憶がある程度で、ちゃんと中身を知らなかったのですが、内容をよく知る人がクセになるとか、出てくる男がみんなヤバいとか、日本よ、これがヤンデレだ、という感じの情熱溢れるDVが話題だとか謎の吸引力を語るので気になりすぎて手を出してしまった次第です
20冊くらいいっぺんに借りていっぺんに読んだ感想としては、王家の紋章すごい
何がすごいのか一言ではいえないくらいに突き抜けている
「天は赤い河のほとり」も大好きで夢中になったものですが、それとはまた別の味わいがあるというか、王家の紋章は全てにおいて感情のボリュームMAX、淡々とした人生なんてくそくらえみたいな、常にテンション最大のオペラといった趣です(ごめんオペラ見たことない)
・よく知らない人のための簡単なあらすじ
考古学を学ぶ金髪自慢のキャロルがひょんなことから(墓あばいた呪いだけど)古代エジプトに持って行かれてしまって、感情過多なエジプト王に熱烈求愛されすぎて腕折られたり(!)、諸外国の王子どもに実にバイオレンスな横恋慕されたり、常に性的な目で見られたり、命狙われたり攫われたり攫われたりおはようからおやすみまで見守るレベルのストーカーされたりする時空と常識をこえた古代スペクタクルロマン
まあ出てくる人間が感情という感情を余すことなく爆発させているので、とくとご覧いただきたい。怒る時は富士山大噴火のごとき燃え盛りっぷりだし、悲しむ時はナイル川氾濫のレベルで嘆き悲しむのです。嫉妬のパワーだけで国滅びそう!
あともう惚れ込むのがハイスピード。寿命が短い時代だからか、もうとにかくやることなすこと早い。待てない。でも少女漫画なので、良心あるの??っていう容赦のなさで拐かしたり、想いが余って水に沈めたり(仮にも惚れた娘を!)するくせに、純潔を奪うことに関しては大体が紳士です。連れ込んで速攻手込めにしちゃうとかはしない。なにそのアンバランスな倫理観!?
まあ色んな男が猫にマタタビのごとくキャロル、おおキャロル!君を!どんな手を使っても手に入れる!(ほんとにこんな勢い)という物騒な感じで言い寄ってくるわけですが、今のところもし私が選ぶなら、近衛兵のように常に傍らにいて、危機の時は全力で守ってくれるルカという少年です。
この狂った世界から、手を取って連れ出しておくれよ!
ですが皆様に広くおすすめしたいのはイズミル王子です。
簡単に言うとストーカーです。
優しげな風貌+強い執着心+折れない心=たち悪い
この方程式、だいたいおわかりですね。底なし沼のようなガッツを持ち合わせています。
しかも私が一番好き!と言ってるルカの主人が彼というこの複雑な心境
私がどんなに君に決めた!と選んでも、所詮ルカはこのイズミルというストーカーが送り込んだ監視カメラなのですちくしょうめ
イズミル王子とキャロルが結ばれるためなら僕なんでもするもんね!死んでもいいもんね!の盲目的忠誠心の塊がルカなので、いやはや参ったねこれは
この時点でルカも結構まともではないというか、十分に狂った世界の住人なのですが、他が手の施しようもないレベルで患っているので、ルカが安心要素に見えるのでした
でもこの歪んだ愛憎劇……きらいじゃない……!!!
まだ完結してないという事実がまた震えますよね
続き早く借りてこないと…
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